山ナース日記 ~Vol.12 八ヶ岳in赤岳鉱泉~

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<雪山登山の山岳看護師活動>
12月だというのになんと南八ヶ岳では雪ではなく雨が降っていました。
近年、雪が少なくなり、雪山とアイスクライミングが大好きな私としては寂しいかぎりです。
今回は国際山岳医の千島先生からお話をいただき、登山者に対して安全な登山・遭難防止のための啓蒙活動のために、クリスマス三連休に赤岳鉱泉で山岳看護師の活動をしてきました。

ちょうど私が所属する山岳会でも同日で八ヶ岳山行予定だったため、皆と一緒に雨が上がるのを待ち美濃戸口を出発、道中はワイワイ楽しく話が弾み、雪を踏む感触が心地よくなったころ、立派に凍ったアイスキャンディが見えてきました。
雪山登山の魅力は、やはりその美しさだと思います。雪の世界に足を踏み入れれば、すがすがしい気分になります。
雪山でしか味わえない美しい風景、しかしその風景も天候が一転すれば危険な状態になります。
雨から始まった3連休はあまり天候に恵まれず、赤岳鉱泉周囲には標高3000m弱の山々がそびえていますので、森林限界を超えた稜線では強風による過酷な寒さが予想されました。

そこで、小屋での夕食後に凍傷・低体温症を想定した30分ほどのミニレクチャーをさせていただきました。登山者の方々から多くの質問をいただき皆さんの関心の高さを実感しました。

2日目の午前中は、行者小屋スタッフさんへの挨拶も兼ねて出張にも行きました。
八ヶ岳は国際山岳看護師の検定場所だったため、2年前の大寒波の中での緊張しながらも楽しかった検定試験を思い出していました。

<山小屋内での怪我>
12月の南八ヶ岳には多くのアイスクライミングを楽しみに来る人たちがいます。今回赤岳鉱泉で山岳医療活動をするにあたり、クライミングによる事故の可能性も想定していましたが、まさか本当に滑落事故があるとは・・・それも小屋内で。

実際、山中では安全とされる山小屋内での怪我はかなり多く発生していて、
私も何度か小屋内でファーストエイドをしたことがありますが、そのほとんどは飲酒に起因して起きています。
赤岳鉱泉は標高約2200mです。標高が高い場所ではアルコールのまわりが早く、酔いやすくなります。
山小屋は山の中の狭い場所や傾斜に建っていることが多く、小屋内外には段差や階段が多く、そのため転倒・転落による外傷などが発生しやすいです。
山の仲間と飲むお酒は格別なものがありますが、元気に自分の足で下山するためには楽しいお酒もほどほどが賢明です。

<冬でも脱水に注意>
あまり知られていませんが、冬でも注意が必要なのは脱水です。
冬山シーズン寒冷の環境下ではあまり水分を飲みたいと感じないと思いますが、体は確実に水分を欲してます。
冬は空気が乾燥しているため登山時の呼吸による水分が奪われる「不感蒸泄」が増えます。
トイレに心配をして水分を摂るのを控える女性も少なくありません。

最近では山中での心臓突然死も多く発生しています。
あなたの血液はドロドロにならないように、冬もしっかり水分を摂ることをおススメします。

クリスマス連休の3日間、相変わらず豪華でおいしい赤岳鉱泉の食事、食事のみならず小屋の雰囲気とスタッフの対応の良さで人気があり、小屋目的に訪れる方も多くいらっしゃるのが分かります。

この冬山シーズン、赤岳鉱泉にはでは何回か週末に国際山岳医や国際山岳看護師が入る予定です。私も1月にまた伺うつもりです。
皆さん是非,気軽にお声がけください。