山ナース日記 ~Vol.9 事故防止・経験交流集会~

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場所:千葉県富津市民の森
日付:2018年11月10日(土)~11日(日)

11月とは思えない、とても暖かい週末に千葉県勤労者山岳連盟(千葉労山)・教育遭難対策委員会(教遭委員会)主催の2018事故防止・経験交流集会が開催されました。
千葉労山に加盟の山岳会が集い、事故の共有化・再発防止を目的とした交流集会です。

私はこれまで交流集会に6回参加してきました。最初は山岳会の会員、次に県連救助隊、そして教遭委員、さらに今年は講師(国際山岳看護師)として参加させていただきました。
私は登山を始めるにあたり、山岳会に入会しました。そして、自分の所属する山の会「岳樺クラブ」や千葉労山の皆さんから登山技術や救助技術を学び、育ててもらいましたので、このような形で恩返しが出来てとても嬉しく思います。

今回、「山岳領域での看護活動」というテーマで講演をさせていただき、その中で山岳看護師が考える山の事故への備えをお話しさせていただきました。
山の事故への備えとは、ズバリ!「安全のための知識と技術を身につけること」だと思います。

それは、すごく難しい事ではなく、登山するにあたり身につけておくべき登山の基礎であり、確実な登山の知識と技術があれば回避できた事故は多くあります。
そして、山で起こりがちなトラブルについて、積極的に学び、予防法や初期対応のスキルを身につけること、それが安全への近道だと思っています。緊急時の対応技術は、登山のみならず野外活動や災害時にも役立ちます。

良い機会なので、今回は緊急時の備えの1つであるファーストエイドグッズをご紹介したいと思います。私がオススメするファーストエイドグッズは「実際に山に持っていけ」て「すぐに使える」をコンセプトに考えています。

軽量・コンパクトというのは、山ではとても重要ですし、全ての荷物を自分で担ぐことを考えると魅力的な言葉です。かつ、流用可能な装備であれば、マストアイテムになりますよね。
重要な事は、「すぐに使える」ようにすることです。時間との勝負になるような緊急時に使用するため、時間はとても貴重です。私は、なるべく直ぐに使えるようにパッキングするようにしています。

ファーストエイド便利グッズの一部を紹介すると、新聞紙、牛乳パック、ビニール袋、取っ手付きビニール袋、ペットボトルのキャップ(前回の山ナース8をご参照ください)などで、入手しやすく、軽量コンパクトなものを使います。

止血などで使うガーゼは、手が入るサイズのビニール袋に入れておいて、ビニール袋ごと直ぐに止血出来るようにします。
新聞紙や牛乳パックは骨折の固定などに使いますが、新聞紙は防寒にも使えますし、牛乳パックはまな板の代わりにもなります。

取っ手付きビニール袋は、両サイドに切り込みを入れれば三角巾の代わりに腕を吊るすことが出来ます。
しかし、三角巾はファーストエイドの必須アイテムです。三角巾は身体の全ての箇所の固定が出来ますし、包帯の代わりにもなります。

よく三角巾の代わりに手ぬぐいを持っているという話を聞きますが、手ぬぐいでは長さが短いので三角巾の代わりにはなりません。
三角巾は買って来たら、ビニールから出し、直ぐに使えるように包帯状に折りたたんでから、チャック付きポリパックに入れて持っていきます。

「ファーストエイドセットは、毎回持って行っているけど、今まで使ったことがないんだよね〜」という声をよく聞きます。
それは、遭難や事故を未然に防ぐ山の危険回避術がきちんとできている…それとも、たまたま…かもしれません。

ファーストエイドセットは決して開けてはいけない玉手箱ではないので、たまには開けて見直してみませんか?
もしかしたら、白い煙が出てくるかもしれませんのでご注意を(笑)
小林 美智子