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西上州 碧岩西稜

西上州のミニマッターホルン

 昨年の同時期に碧岩西稜を目指したが、夕方からの雨が雪に変わり、あくる日はあたりがタンネの森となってしまってとても登れる状態ではなかった。

■11月20日
 初日に西稜の取り付まで行く。昨年付けた赤布があった。取り付きの1ピッチ。3年前に酒井春人さんが打ったハーケンが健在であったが、簡単に抜けてしまった。一日目は取り付までの偵察に留め、明日を期待することにしよう。

■11月21日
 翌日は朝6時50分テントを畳んで出発。一気に取り付まで行き、早速クライミングシューズに履き替える。
 竜少年と遊少年の少年隊と小林青年とマエストロ岡部の2パーティーとして、ロープを結ぶ。先ず竜少年が昨日のロングシュリンゲを付けておいた1ピッチ。続いて2ピッチ目をリード。1ピッチ目は青い岩のルンゼ上を8mほど登ると切れた稜線にでる。
 
 2ピッチ目は最初の核心部、大きな岩を抱きついて根が付いているのかいないのか分からない潅木の根をそっと押し付けて乗り越す。岩も相当ボロボロなので足を乗せていいのかチェックをしないと体重をかけられない。小さな岩塔にビレイを取って遊少年にあがってもらう。

 3ピッチ目からはツルベで遊少年リードの番。しかしこのあたりから、木登りと露岩になり、クライミングシューズを脱ぎたくなってしまう。しかし、足元は木の根と落ち葉で、踏めばフカフカで足には優しいし、誰もいない天気のよい快適な登りが続く。

 小林隊が少し遅れ始めたので、気分のいい稜線で待つことにしよう。ルートを難しい方、難しい方ととったので1時間ほど遅れてしまった。敢えて困難を求めるのが青年の青年たる所以か。(^^;

 コンテを交えて6ピッチほどで遊少年リードで岩壁に突き当たったところでロープいっぱい。次の竜少年が岩壁の取り付きを探す。リッジ通しを探ったが、どうも違うようだ、横に廻って少し登ると真新しいハーケンが打ってある、しかし、少しかぶり気味で変だ、右斜上気味に行くと今度は錆びたハーケンが半分打ち込んである。そうかなー、どうもルートとは思えないなー、3年前だから忘れちゃったよ、などとブツブツ言いながら一歩攀る。

 ここにハーケンを1本打つ。いい音がしたのだが、全体的に岩が脆いので、落ちたら抜けるだろうなー、岩の突起にシュリンゲを巻いてビレイ点を補強。でも、なんだか心配だ。思い切れずにいると、遊少年が下から、無理しないで、もし、登れなかったら降りてくれば。と言う。オイオイ、簡単に降りろ、と言うけど、今のところホントにやなとこなんだぜ。

 一歩の踏ん切りがつかないので、遊少年の言に従い慎重に降りる。
もう一度、ルートかどうか調べると、どうもこの岩壁を右に巻いているようだ。松ノ木で懸垂で回り込んでいる道らしき所に下りる。右に巻くのが正解なのだろう。岩壁を回りこんで、最後の壁と思われるところは遊少年のリードの番。下半分はボサボサ、上は岩壁上で斜度はそんなにないが、ビレイ点が無さそう。
 ボサボサとは岩の上に雑草が薄く生えている約5m位か、その上段は岩が5mくらい、全体で10m程。ビレイは竜少年に任せろ。

 遊少年慎重に登りだす、足がボサのため安定しないが、途中小さな潅木を束ねてビレイ点を作る。上段の岩の部分をあっと登ってビレイ解除ー!。
竜少年、青年、マエストロ岡部「おーッツ、やったかー!。」

 2番手の竜少年は小林青年、マエストロ岡部組のロープを引いて登り、FIXして青年にはアセンダーで登ってもらう。
 最後の頂上にでるピッチも遊少年余裕でクリア。堅い握手の山頂であった。程なくマエストロ岡部もリードで最終ピッチを飾る。



 碧岩西稜は、全部で10ピッチ程になる。ロープを付けなくても付けてもどちらでもいいのではないか、と思う。ただ、慎重に行くにはやはりパーティーを組んだほうがいい。マルチピッチのロープワークの練習には、もってこいの場でもある。西上州の山々が秋の最後の飾りを、少し傾きかけた陽に輝かせていた。
 (記 竜少年)

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