千葉県勤労者山岳連盟

山の会「岳樺クラブ」

クライミングをずっと続けていきたいと願い続けているクライマー集団
【新着山行リスト】

すばらしき3日間


日 程 = 2011/9/23(金)~2011/9/25(日)
メンバー = BULLさん KMT
山 域 = 槍ヶ岳 北鎌尾根

憧れの北鎌尾根 果たして結果は如何に?



●出発まで
心強いBULLさんと一緒で安心なのだが、今回はいつも以上に色々な事を考えざるを得なかった。
ザック重量は会長より通達があり12キロ以内にする様にとの事
実はコレが後でボディブローの様に効いてくるんだな~

水3Lは削れない となるとあと9キロ

出発までの最後の3日はヘルスメーターとの格闘
電子ヘルスメーターで自分の体重が差し引かれるので助かった。

9月に3,000mでのビバークを考えると防寒が一番悩むところだったが
結局アンダー用ダウン上下、フリース、カッパ上下、替え下着とした。

シュラフカバーは削除

食料も重量を考えロールパン、チーズ、ハム、カップヌードル(予備食)+おやつで済ました。

最後の最後、水3Lを入れようとしたが入らずザックを
土壇場で大きい物に変更

理由はパンを入れるタッパーが大きかった事
(これは今までの経験から数十グラムの増加ですがペッタンコのロールパンはさすがに
力が出ない、内容物が減れば他の物も入れられ、蓋は食事の時テーブル代わりのなるのでお勧めです)

クライミング装備はハーネスと最小限の登攀具とした。

靴は履き慣れた中登山靴、これは結果的に重いがザレやガレ場が多く助かった、
登攀についても不満は感じられなかった。

いよいよ明日は出発だ!オッケーオッケー

●新宿~中房温泉
いつもの新宿バス停に集合だが今回は2人のみ and 北鎌なので心なしかお互い緊張気味か?

ただし、ビール飲んでバスが走り出せば2人とも熟睡
途中のトイレも1回しか行かなかった、
“よく寝る”これが元気の源です。

乗り換え駅の穂高で中房温泉行きのバスまで50分待ち
4人乗り合いでタクシー料金がバス料金にプラス¥300との事。
即効 相乗り2名を探し中房温泉へ
ここで1時間程時間を稼げた ラッキーチョキ

●中房温泉~大天井ヒュッテ

9月23日5時40分出発

2人とも快調、燕山荘までは楽勝、前回の厳剛新道の
8掛け程度かな

燕山荘にて  相変わらず表情が不自然

この調子ならヒュッテまでコースタイムの3時間は2時間かも、なんて思っていたら
大変ぎょ ぎょ


ルート半ばで私の調子が・・・・・・・どうにも足が重く 
BULLさんについて行くのがやっと

これは明日を考えると気が重いはうー しょぼん

大天井岳手前の分岐で1息入れてもらい おやつを食べたら何とか回復

無事ヒュッテまでコースタームで到着 14時40分着

大天井ヒュッテ

但し明日の本番を前にモチベーションは最低下下

ヒュッテでゆっくりしてから明日の貧乏沢下降点を偵察 

下降点は40cmほどの標識と赤テープでわかりやすかったが、
体調はダメダメ××下下


明日の出発に備え19時には就寝したが実は・・・・・・・・・・


“明日調子が悪かったらどうしよう!!!”しょぼん

特に、北鎌沢出会い位まで行ってダウンしたら引くに引けない状況で
最悪ビバーク シュラフも無し

今朝は マイナス5度だったゾ!! どうすんだ!


それとも具合が悪く出発出来ず、そしてBULLさんは当然1人で行く様な人ではないので

自分の為に今回は断念

帰って会の皆さんは “勇気ある撤退” “怪我が無くて良かった” “山は逃げないから”

なんて言葉がかかるのも結構きついよな
なんて考えていたのですがいつの間にか寝てしまった・・・・・・


●大天井ヒュッテ~北鎌のコル   9月24日

2時半に携帯で起きる 布団の中でおそるおそる体を動かしてみると

何とも無いかも?

静かに外に出て体を動かして見ると

~快調ではないですか!~   俄然元気が出てくる

さーいよいよ今日が本番


BULLさんは小屋の弁当、私はロールパン


弁当がやけに旨そう さすが1,300 

食事、支度を終え3時30分ヘッデンを点け満天の星空の中出発  
今日も晴れるぞ  おーーーにひひ

貧乏沢下降点まで20分 おそるおそる歩いたが体調も大丈夫 頂上目指してガンバ

こんな下りです

貧乏沢を快調に下るが沢を下り始め20分位の所で雲行きが~怪しくなり

とうとうルートを見失うしょぼん

当初は狭い谷なので迷ったら下に行けば大丈夫と・・・甘く考えていたが

やぶや崖に遮られ次第に
先を行くBULLさんの返事も「違うな」から「うーん」

最後は「わかんねえ・・・・・・・」の切ない回答に

真っ暗な中 思案中
まあ明るくなれば下に行けば  との思いはあったが
何より時間をロスする事への焦りが募る

明るいうちに着かなければ北鎌でビバーク  そしてシュラフ無し
の思いが頭を廻る

不安 大  不安 大  不安 大

かれこれ真っ暗な中30分程彷徨したところに上からライトが下がって来るではないか
あー救われたと思ったところ私たちの右10mをすいすい下がってしまい
見る見る見えなくなってしまう・・・
その方向へ行ったが崖で行けず、さらに焦りがプラス。

登山道って“す~んごく早い” なんて妙に関心する

その後10分程でまたライトが、今度は近い「そっちがルートですか」
の問いに「そーですよ」の声

助かったー その3人について行きやっと天上沢出会いに到着
結局7人に抜かれ30分以上のロス

まだまだ日は長いぞ  GANBA!!!パンチ

そこから15分で北鎌沢出会い、ここは沢も広くわかりやすかった。
ここでハーネス、ヘルメットを着け、いよいよ本番


7時30分出発 北鎌沢だぞー

750mの登行にたがわず目の前の沢はやる気を削ぐ角度で聳える

上を見ると気が重くなるのと 首が痛くなるので 見ないように下を向きながら登り始めると

“意外と平気かも”の感触 オッケー

会長の教えのとおり右、右へと進む

悪戦苦闘2時間、最後の分岐も右に進んだが、
私たちの 左を登っているパーティから「こっちが正解だよ」の声 
草付きを15mトラバースしてそちらのルートへ。

あと80m位か?到着点も見えて来ているが最後の傾斜がきついこと 

全然近付きませんぷんすか

またもや 不自然

あえぎながらやっとのことで到着  9時半

なんとそこはコルから15m程上、私たちのルートが本当は正解でした 
まあこれもご愛嬌


北鎌のコルから見た 今朝彷徨った貧乏沢

●北鎌のコル~独標
コルで  “天上沢テン泊3人組”   “天上沢テン泊4人組”  と私たちの3パーティ
4人組みは先行し、この後翌日の横尾まで会わなかった
3人組は概ね同じスピードで槍の小屋でも同室でした。



北鎌のコルを振り返る


一息入れ私たちも天狗の腰掛に向け出発 快調に天狗の腰掛を超え

面前に独標が聳える


・・・さあ独標だ  コレも高いぞ・・・

確か天上沢側を巻くとの事で踏み跡を進んだが 
行く手にルートがなく、上にルートらしきものが???

上に行くとだんだん怪しくなり、とうとう先を行くBULLさんが
「ロープ出そう」との声
先を見ると確かにやばそう   サックを下ろしロープをセット  そして登行
下からは見えなかったテラスに着くと   その先・・・・・

ルートが無いじゃないですかはうー

降りるも駄目、先も駄目 うーん?
BULLさんが「上に行こうよ」との声で行く先決定 
踏み跡は無いものの上に行く 

駄目なときはロープもあるし
登った先は独標ピーク 

登っちゃったよ! にひひ

これぞ北鎌だ!! そこから先はルートもはっきりし

ガンガン行くぞ!!!

●独標~槍ヶ岳
独標を超えると槍が見えて来た



この辺りから“何とか行けそう”との余裕が出て来ては

去年一般ルートでも経験したなかなか近づかない槍の法則に疲れて来る。

前を見たり後ろを見て景色を堪能and気を紛らわす

いつもの事だが
“この景色は苦労して来て今しか見られないんだ”

“写真に撮っても1/100も伝わらないんだ”ってわかって見ているつもりなんだけど
後で思い起こすとちゃんと見てないんだよね。


こんな所を越えて


こんな所を越えて


こんな所を越えて


そんなこんなで とうとう頂上直下のガレ場着 14時半

この直登はこたえた、やっばり酸素が薄いのが影響しているのか???
いつもの力が出ない
この前後でベテラン男性1人と女性2人のパーティに追いつく

「お先にどうぞ」 と言われたって
  
涼しい顔 繕っているけれどこっちも辛いんですけどしくしく

言われりゃ先に行くしかなく  最後の力を振り絞り登る  

とうとう最後のチムニーに到着。  終点はもうすぐだゾ!!!


天井沢に映る 槍の先鋭的な影

ここまで来ればあと一歩
一応ロープを出そう との事で確保をする GPSでは3,140mを示していたので40m前後で
足りるだろうとの思いの中25m出たところで“解除”の小さい声 
ただ声があまり聞き取れない。

BULLさん頂上に着いたの????

声が伝わらないので「登ります」のコールとロープで合図し最後のクライミング
頂上が全く見えず疑心暗鬼の中チムニーを登りきり左に2m程トラバース

見上げると10m程上が頂上だった。オッケー

皆、頂上から下を見ながら「すごい すごい」の声 
くすぐったい声の中BULLさんが確保する頂上へ

以前一般ルーで家内と登ったときは2人きりだった頂上が今回はあふれんばかりの人

BULLさんと自然に手が出て固い握手 やった~!!!!

15時30分着

振り返ると、明け方3時半に出発

12時間かけ、苦労して来た  貧乏沢~北鎌沢~北鎌尾根が

そして 一時はどうなることかと思った 燕~大天井の縦走路が

はるか彼方に霞んで・・・・・・・・・プチ涙。


先に行かせてくれたパーティと ソロの好青年

●槍ヶ岳山荘

槍ヶ岳山荘に着くと北鎌組は到着が遅いので同室に  10人全て北鎌組

それと大天井ヒュッテで話をした名古屋の気の良いおじさん2人組みと 若い2人組み
両組は表銀座ルートで槍を目指しており 私たちと槍ヶ岳山荘で再会を誓っていたので
会えた時は大喜び。

皆 達成感と妙な連帯感、そして翌日は上高地に下るだけなので

それともう1つ、会長から達成おめでとう今日は飲んでいいよ
のお許しメールが

従ってその夜は・・・・◎◎◎


それでも翌日は5時に朝食を摂り、元気が余っていたので槍ヶ岳山荘から

バスターミナルまで5時間で着いてしまいました。


終わっちゃったよ~ 

2人共すごい!!

●エピローグ

山をやっている人なら北鎌は特別な響きを持っていると思います
いつかは北鎌をとの思いは昔から持っていました。

頂上での達成感、充実感は
技量、体力、経験に加え
パートナーとの相性

その上に 体調、天候、ルートファイティング(経験は当然だが運も大きな要素だと感じた)
等の不確定要素、言い換えれば運も大きく影響する事を経験したからこその重みだと思います。

また準備段階から登頂まで北鎌に対して すごく ひたむき だったと思います。

人の しあわせ ってそう言う経験を1つずつ重ねて奥行きや深みを増してゆく事じゃないかと思います。

今回BULLさんと自分が経験出来たことは岳樺クラブの方々、また各々の家族の支えがあって
そして運に恵まれていた事が重なっての達成だと感じています。

この場をお借りしありがとうございますと言いたいです。

山やってて良かった

そして皆さんも是非
素晴らしい北鎌尾根に行きましょう!!!!                      おわり。

| 山行リスト::アルパイン | 02:57 PM | comments (1) | trackback (0) |


コメント

| 竜少年 | EMAIL | URL | 2011/10/14 08:10 PM | Xlj/ilSU |
うー、-、。
なんか、泣けてくる。感動が蘇って・・・。

シンプルにして感動的、実際自分も山に登っているような感覚でした。

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