阿弥陀岳北陵&赤岳主稜 ~2016~

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山域:八ヶ岳 阿弥陀岳北陵、赤岳主稜

日程:2016.11.4~11/5(1泊2日)

行程:11/4 晴れ 美濃戸口~行者小屋~阿弥陀岳北稜~行者小屋(テント泊)

11/5 晴れ 行者小屋~赤岳主稜~行者小屋~美濃戸口

メンバー:Muu みっちゃん

<感想:Muu>

「今年の冬はどのルートをやろうか?」ということを考えた時に、いきなり雪山で登攀する前に無雪期に登っておくのが安心だと思いました。では、どこへ行こうか?まずは昨年のGW前半にNobuさんに同行して登った、入門編の阿弥陀岳北陵と赤岳主稜だろうと決めました。

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みっちゃんと南アルプスを歩こうと考えていた文化の日に休暇を足した4連休に決め、準備を進めていましが、10月末には初冠雪!そして初日の文化の日は大荒れの天気と、もともと想定していた雪山装備を再確認し、大荒れ予報が出ているとは思えない快晴の東京を出発しました。

22時頃に中央道八ヶ岳PAに到着し車中で仮眠をとりましたが、寝袋を使わずに寝たら、まさかの冷え込みで朝まで震えていました。「今夜のテント泊に向けて良い寒さ慣れができた♪」とリーダーとして、みっちゃんに強がったりしていました。暖かい食事をとって、美濃戸口へ。この時期であれば、どんな車でも美濃戸まで問題なく入れますが、ここはウォーミングアップを兼ねて美濃戸口から歩きます。

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途中から今シーズン初となる雪上を歩きましたが、予定通りの時間で行者小屋に到着し、テント泊の手続きと準備、アタック装備を用意して11時過ぎに阿弥陀岳北稜に向けて出発しました。順調に一般登山道からジャンクションピークへと入り、稜線を進みます。

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前回は、雪に埋もれていた稜線ですが、今回はわずかに雪があるだけで、踏み跡も明瞭でした。しかし、わずかにある新雪が滑りやすく、傾斜がきつくなるとロープを出すか迷うほどになりました。ピッケルを使って何とかクリアし、第一岩峰基部左側のビレイ点に到着。今回は、「経験者の」私がリードで登ります。前回は岩峰には雪が無くフリーで登りましたが、今回は雪が付いているので、ロープを出します。雪山装備とは言っても、靴は3シーズン用でグローブは一時的なら薄くても大丈夫なので、特に不安もなく登れました。また、振り返り見降ろした景色も素晴らしく、中間支点もあるためリードすることが楽しいルートです。

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第二岩峰も見た目はちょっとした壁のようですが、手も足もしっかりあるので、滑らないように雪を払いながら登りました。また、中間支点もみっちゃんと打合せし、ナチュラルプロテクションも出来るだけ取るようにしました。

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適度に緊張のある快適なクライミングを2人で行って、終了点からすぐ先の山頂に到着。この日は快晴で富士山から八ヶ岳同様に冠雪した北アルプスの峰々まで360度の展望を楽しみ、明るいうちにテントで食事を済ませ、寝袋で暖かく寝ることが出来ました。

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翌日も朝から快晴!昨日と同じアタック装備を手早く準備して出発。今日は、赤岳主稜ですが、文三郎尾根から主稜取り付きまでのトラバースが核心というくらい緊張しました。ガレて脆い岩場に新雪が数cm~5cm程度、積もっていたため一歩一歩に本当に時間をかけて移動しました。

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取り付きのチョックストーンでロープ等の準備をして登攀開始。積雪期は、チョックストーンを乗り越えますが、雪が無いときは下を潜って登ると簡単です。その先も難しくはないのですが、中間支点を取る良い場所がないのとルートが何回も曲がるため、ロープの流れが非常に悪くなり綱引きのように体重をかけながら進むことになったのでピッチを切りました。進むにつれて「ここでNobuさんがカムを使っていたな」とか、「ロープの流れが悪くなったと言ってたな」ということを思い出し、難なく登ることが出来ました。また、3年前に初めての雪山挑戦で文三郎尾根から赤岳に登った時に、当時は「主稜」と言う言葉も知りませんでしたが、ロープを出して岩場に取り付いている人たちを見て、まさか自分がそうなろうとは思わなかったなぁ、人生って分からないものだなぁ、と感慨にふけったりしました。

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一回だけ焦ったのは、みっちゃんを引き上げてペツルからルベルソを外そうとした際に、環付きカラビナのスクリューが固まり回らなかった時です。素手でも、温めても何をしても回らず、残置するしかないのかと悩んでいたところ、みっちゃんの剛腕でスルッと外れました。もっと鍛えなくては・・・。(当該の環付きは、戦力外通告を出し家の中で第二の人生を送っています)

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その後は、雪がついた稜線にピッケルを出して注意しながら進んだりして、登山道へと出ました。昨日の阿弥陀岳北稜もそうですが、終了点から山頂までが近く下山も容易です。肝心のルートは一般道では無いので注意は必要ですが、特別難しくもなく眺めもよいので、まさにライトアルパインだと感じました。

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テントを撤収し最後に見た八ヶ岳は、雪もだいぶ融けていました。「来年の無雪期には大同心や小同心へ挑戦しに来るよー!」と言いながら下山しました。

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<感想:みっちゃん>

八ヶ岳南部バリエーションは、私の日本登山医学会の国際山岳看護師認定検定のためのトレーニングを目的のひとつとして、Muuリーダーが計画してくれました(感謝)。私にとって初めての赤岳主稜と阿弥陀岳北稜は直前に初冠雪となり、中途半端に雪がついて若干ショッパイ登攀となりました。しかし、今季に雪がついてからまたチャレンジする予定なので、下見を兼ねてしっかり確認しながら登攀してきました。

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今回は昨年にNobuさんに同行し、両ルートを経験しているMuuさんが、すべてリードしてくれてとても心強かったですし、ザイルパートナーとしても安心できました。ルート的にはバリエーション入門ルートなので岩場は難しくなかったのですが、中途半端な雪で取りつきまでのアプローチが核心で、草付きではかなり気を使いました。そして今回もNobuさんの教えが功を奏して魔法の杖(ピッケル)が大活躍。Nobuさんが私たちに教えてくれたものは血となり肉となっています。それもこれもNobu師匠に感謝です。

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夏には剣岳北方稜線も経験し、段階を踏んで自分達だけでのバリエーションをしてきましたが、今回のチャレンジはとても私たちにとって自信となりました。多少の失敗や反省点はありますが、それもひとつの良い経験としてこれからの糧にして、今後も岳樺のポリシーであるライトアルパインにチャレンジしていきたいと思います。

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