キリマンジャロ挑戦記~2015秋~

dakekanba-admin

山域:タンザニア(アフリカ)

日程:2015/9/18-28

メンバー:Muu

 キリマンジャロ登山挑戦記

40歳で登山を始めて以来の目標であったアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ(標高5,895m)登山に昨年9月のシルバーウィークを利用して挑戦してきました。(Muu記)

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素人でも登れる世界最高峰の山

キリマンジャロの山頂は標高約6,000mですが、赤道直下に位置しているため夏の富士山(標高3,776m)と同じような環境で、さらに登山道は整備されており、特別な技術を必要とせずに山頂まで登山することが出来ます。また、ガイドやポーターなどを雇うことが義務付けられており、荷物も軽い状態で登ることが出来ます。

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唯一の不安・・・高山病

しかし、キリマンジャロに挑戦する際に不安が無いわけではありません。それは高山病です。高所で低酸素状態になるため頭痛や吐き気の軽い症状から、最悪の場合は死に至ることもある高度障害が登山に悪影響を与えます。私は富士山に登る際に、軽い頭痛が起こることがあり、高山病対策をどうするかが悩みどころでした。

高山病対策

高山病の対策は、高所に繰り返し登り身体を慣らすものや、低酸素室でトレーニングする方法があります。私は今夏、富士山に4回登りましたが、富士山とキリマンジャロでは2,000m以上も標高差があり、酸素を消費する筋肉を無駄に付けないため、太い足がこれ以上太くならないように注意しました。

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出発(ツアーそれとも個人)

個人でタンザニアに向かい現地でガイド達を手配することも十分に可能です。しかし、私は登山に専念したいので、同じ千葉の山岳会の方が山頂まで同行してくれるツアーに申し込みました。

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登山中に出来ないこと

お酒・・・高山病には良くないため飲まない方が良いです。

シャワー・・・埃っぽいのでウェットタオルを持ち込めば大丈夫です。

自由な食事・・・コックが同行し、美味しい食事を作ってくれますが、和食が欲しい人はレトルト食品を準備した方が良いです。

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いよいよ登山開始!・・・が、早くも頭痛でリタイヤか!?

登山口から山頂までの標高差、約4,000mを登り4.5日、下り1.5日の5泊6日の計画で登ります。半端な0.5日があるのは、頂上アタックでは深夜に出発し山頂に到着後下山をするためです。

登り始めて2日目の途中、富士山よりも低い標高なのに頭が痛くなってきました。そのせいで、上り坂では力が入りません。心の中では「何でだ?何でだ?」を繰り返します・・・夕食時に血中酸素濃度を測定しますが、数値的には少し低いかな?くらいです。頭痛がすると申告しましたが、他の参加者は元気なので不安が多く、精神的にはつらかったです。

頭痛は3日目4日目でも改善しませんでしたが、標高が上がっても悪くもなりません。4,000mを超えると、一緒のツアー参加者にも頭痛や吐き気の高度障害が現れだします。そんな中でも私は食欲があり、食欲のなくなった参加者からは羨ましがられました。

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頂上アタック!!

深夜から山頂までの1,200mを登る様子は、富士山頂で日の出を見るためのご来光登山と似ています。違うのは少し寒いのと空気がさらに薄いこと(キリマンジャロでは地上の半分、富士山は3分の2)くらい。しかし、この違いが決定的に呼吸の苦しさを与えます。肺のすべての空気を吐き出して、思い切り吸い込むことを意識しながら登りますが、登るペースも想定より速く、力を入れれば頭が痛いので苦しさは変わりません。苦しみながら考えていたのは「以前に高熱で登山をした時に、今と同じような苦しさを経験していたなぁ・・・!?・・・もしかしたら、これは熱なのかも?」です。

ついに、頂上へ!!!

真っ暗闇な中を、頭痛で力が入らないために苦しんで歩いていると突然、平坦になりました・・・一応、山頂です。しかし、富士山での剣ヶ峰にあたる最高峰はまだ先です。小休止してから1時間ほど歩いて、ついに最高峰ウフルピークに登頂できました。

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直接、支えてくれたスタッフ

最終日の朝に私たちを支えてくれた全スタッフが集合し、一人ずつに感謝を伝えることが出来ました。

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下山して分かった高熱

頂上アタックが終わって体温を測ると「37.7度!」、無事に登頂できてよかった。次回(?)は体調管理にさらに気をつけようと思いました。

最後の落とし穴

全日程を晴天で終えた登山のあと、夜には登頂祝いを行って、いよいよ帰国する日です。お土産を買って最後にタンザニア料理を食べて空港に向かいました。ところが、空港へ向かう唯一の道路でタンクローリーが事故・・・1日1本の飛行機に乗り遅れてしまい1日遅れの帰国となりました。

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さらなる高みに向かって!

素人でも登れる世界最高峰の山に登頂しました。体力・技術そして精神面の強さを強化して、今後の挑戦に備えたいと考えています。