クラシックルート 奥穂南稜へ!

dakekanba-admin

期 日:2013.5.31(金)~2013.6.2(日)
参加者:bullさん、DG

岳沢から奥穂頂稜(南稜の頭)へ突き上げる、標高差1,000mの尾根。
約100年前の1912年8月、ウェストン氏と案内人の上条嘉門次氏により初登されたクラシックルートに行ってきた!
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出発直前まで天気図と睨めっこ。予報は下り坂から一気に好転し、晴れ時々曇りへ。
これは行くしかないと、bullさんに相談すると「行きましょう!!」と返事が返ってきた。
金曜日休暇をもらって、朝一番のスーパーあずさ1号に乗った。お昼ごろ上高地BTに到着し、準備を整えて出発。岳沢には15:00ころ到着。
キャンプの受付を済ませ、テントを設営。明日の下見でも行こうかと思ったところ、小屋番さんから南稜の取り付きポイントなどの情報を教えていただいた。
そっか、それなら明日でもいいだろうということで、早速ビールで入山祝(カンパーイ)
平日ということもあり、岳沢小屋はとっても静か。休憩場所を使わせていただき気がついたらあたりは真っ暗。そろそろ明日に備えてということでテントに戻り、軽~く二次会をやって就寝。
6/1(土)am3:00起床、食事を終え準備を整えて4:50に出発。
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久しぶりのロングバリエーションで胸が高鳴った。
大滝左側のルンゼ(2本目)から取り付き、順調な滑り出し。
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しかーし、雪がすっかり消えて草付を歩くも雪解けで地面がかなり緩んでいて歩きにくいことこの上ない。さらにハイマツの中を漕ぎながらマツヤニまみれになって、やっとこさトリコニーの取り付きへ到着。
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ここからは岩稜歩きとなるが、所々に現れる雪でアイゼンを外すに外せない。これがまた難儀で時間がかかってしまう。3峰を終えヤレヤレと思ったら、まだまだ先は長~い。
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ここでリーダーBullさんに相談し、安全を考えて今日のところは奥穂山荘泊とすることにした。
さぁ、そうと決まれば南稜の頭を目指して登るだけ。途中2箇所ほど雪壁があったが問題なく通過。テルモスをテントに忘れてしまって持参した2Lの水が切れてしまい、南稜の頭に到着した頃には喉がカラカラになっていた。bullさんの残りすくない水を少し分けていただき一息つけた。
岳沢小屋に電話をし、テントは明日回収する旨を伝えて奥穂山頂に向かう。
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山頂からはお約束の素晴らしい景色が広がっていた。何度も訪れているのに、毎回感動してしまう。さぁ日が暮れぬ内に山荘へ急ごう。(山荘着 18:00)
奥穂山荘に到着し、遅い到着にも関わらず夕飯を出してくださった。小屋の皆さん本当に有難うございました(感謝)。
6/2(日) am3:00起床、4:15出発。
今日はザイテンを下り、涸沢~横尾経由で上高地下山(途中、岳沢をピストンして残置荷物回収)。
とここでアクシデント発生!!奥穂山荘を出発してまもなく、bullさんが腐れ雪に足をとられ、右足を痛めてしまった。様子からかなりな痛みであることが伝わってきた。でも、bullさん持ち前のパワーで自力下山を選択。(後でわかったことだが、あの状態で奥穂山荘から上高地までよく歩ききったと思う)
私は一足先に下山し、岳沢に登り返して荷物を回収してきた。林道分岐でbullさんと合流しパッキングを済ませ上高地に到着。お風呂に入って帰路に着いた。
bullさん、充実した時間を共有できて有難うございました。次に向けて更にレベルアップを図って行きたいと思います。

<記:DG>

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残雪期と言うか、腐雪期と言うか。。。
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大滝の左手前10mにある取付きのシェルンドを越えて登攀開始するが、既に雪なんぞない。
草付きと言えば、まだ聞こえが良い。ただの泥壁である。
ズルズルと這い上がると、そこからしばらく雪壁か続く。
DGさんとは本チャン初ザイルだし、アンザイレンで登る。
雪壁の後は雪のないルンゼを登り、そしてハイマツを掻き分け、ようやっと岩稜に到着した。
ここにちょうど四畳半程度のテラスがあり一息入れる。
目の前のコーナークラックは泥付きなので、右のフェースから登る。
岳樺の残置シュリンゲにランニングを取り、そのまま左上し覆い茂ったハイマツを抜けるとハンドクラック。更に進むとO・Wがある。
僕はハンドクラックに手を突っ込み、残置ピトンでA0して登る。
トリコニー1峰(だと思う)のチムニーを奥右の石台からジャンプ!
これ、以外に面白い。
その後も岩稜を切れ落ちた左を巻いて登る。
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2峰も難しいところはない。コンテでもいいかな。って思ったが、DGさんとツルベで登る。
なにしろ、僕たち以外に誰もいないから、そりゃあもう気持ちいいことこの上ない!

「気持ちいいーーー!」

DGさんの、このコールを聞きたくって登っているようなものだ!
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予定よりかなり遅くなったけど、天気も持ってくれたし奥穂南稜を2人占めし贅沢な登攀だった。

翌朝、穂高山荘からザイテン下山中、シェルンドには気を付けていたけど、スノーブリッジ状に左半身がハマってしまい、残った右足膝を痛めてしまったのには参った。
元々、右膝は半月板も無いし靭帯も2/4しかないので、いつも十分に注意していたんだけど。。。

ま、しばらく治療に注力してパワーアップしますよ!!

今回は、DGさんとツルベ登攀ができたことはすごく大きな収穫でした。
岳沢BCも最高に良いです。
また、みんなと行きたい。と思う山行でした!!

ザイテンから前穂5・6のコルへ向かう登山者達!
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<記:bull>