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2006年09月26日

三ツ峠・中央カンテにおけるヒヤリ・ハット体験

■状況
中央カンテの登攀を終え、終了点から懸垂下降で取り付きまで降りるために、終了点付近にある懸垂下降支点より第一バンドまでの距離約50mを9mm×50mロープを2本繋いで懸垂下降で降りた。

最初にBが降り、問題ないために二人目のAが降下。Aが第一バンドに降り立った後、回収するためにロープ引いたがどこかに挟まっているらしく、ロープは全然動かなかった。

今度はBも含めて二人で力を合わせて引いてみたが結果は同じだった。夏休み明けの閑散期であり、同ルートに取り付いている者は二人の他には誰もいなかった。

第一バンドから取り付きまでは約10mの距離があり、ロープによる確保無しで下ることは出来なくはないものの、かなり危険を伴う。

■われわれのとった行動
ロープがまったく動かない状況から、下降ルートの傾斜が変化する地点(緩傾斜→急傾斜)でロープがクラック等に挟まったことがある程度想像できた。

幸い、降り立った第一バンドには堅固な下降用の支点が2箇所設置されていたので、ロープの末端同士をエイトノットで支点に結びつけ、固定することができた。

これにより、仮に登り返した時に弾みでロープがクラックから外れたとしても、登高者は墜落する心配はなくなる。

次に、Bがダブルロープ状態のロープに径7mmのプルージック用スリングでプルージック結びをセットして登り返すことにした。

但し、懸垂下降ルートは通常の中央カンテルートより右寄りに離れているため、AはBに対して浮き石など危険性が高いようなら無理しないで下降するよう指示を与えた。

Bはプルージックを上に移動させながらA0をまじえながらの登高を繰り返し、岩角のクラックに挟まっていたロープを引き抜き、原因を取り除いた後、同じ失敗を繰り返さないように2本のロープの結合部をずらして1本のロープを折り返して懸垂した。(再回収時にロープの結び目がクラックに挟まらないようにするための措置)

Bは登り返しの途中で確認してあった真新しいペツルのビレイステーション(終了点から約10m下)にてセルフビレイを取り、そこから再び新たに懸垂をしてAの待つ第一バンドを通過して取付きまで一気に降りた。

最後にAが第一バンドから短い懸垂をして12:35無事に取り付き点に戻ることができた。

■原因
ロープがロックした原因は、やはり最上部の岩の角にある細いクラック部分にロープ1本が挟まってしまっていたためだった。

懸垂下降の出だしは緩斜面だが、すぐに垂直に近い急斜面に変わるため、そこでロープが岩に押しつけられてしまう。

懸垂時に左右に振られた際、ロープがクラック部分を跨いて挟まってしまったものと思われる。



■反省

  • 終了点からの懸垂下降は通常行われていることであるが、今回は事前に同ルートの下降でロープがロックした記事をネット上で閲覧していたにもかかわらず、同じ失敗を繰り返してしまった。
  • 今から考えると、緩斜面から急斜面に変化する地点にもっと注意を払うべきだったと反省している。
  • 今回は懸垂下降支点も第一バンドの固定支点も共に堅固なものだったので、登り返しの決断ができたが、そうでない場合は、後続のパーティーにロープの回収を依頼するべきだったのかも知れない。(但し、この日に関しては後続パーティーはいなかったが。)

(記 Nob)


2006年09月15日

奥秩父 乾徳山 旗立岩・中央岩稜(北方カンテ)


懸垂下降地点から旗立岩・中央岩稜(北方カンテ)を望む



■9月9日
11:50 JR小岩駅北口待ち合わせ~勝沼IC~R140三富小を過ぎJA三富の先を左に曲がる(大平荘の看板有り)~(道は狭いが大平荘手前まで舗装されている、落石、対向車、特に工事用トラックに注意)~16:00民宿大平荘(旧大平牧場)の庭で幕営(トイレ、水道有り:駐車料2日で1000円+幕営料一人当り500円)

■9月10日
04:00 起床
05:26 出発~登山口入り口(右側の牧場跡の廃屋が目印、ゲート?有り)~扇平~07:45 乾徳山山頂手前下降地点

下降地点は山頂手前の登山道の西側岩壁上で、「日本登山体系」(白水社)に記載されているトポでは「無名岩稜」と書かれたリッジの終了点脇のチムニー状のルンゼである。

眼前に旗立岩の中央岩稜P2を望む広いテラス北側の狭いルンゼを懸垂下降する。下降点にはリングボルトが1本あるが、頼りないため奥の太い立ち木から240mmスリングで懸垂支点を作る。

《懸垂下降1回目》
浮石の多い悪場を懸垂下降するtomo
08:30 チムニー状の狭いルンゼ内から左にカーブしたガレルンゼで50mロープいっぱいまで下降する。

ガレ場はほとんどが浮石と思って間違いなく、慎重な行動が必要。

先に下降したメンバーは落石を避け、身を隠す必要あり。記録者(tomo)も例にもれずコブシ大の落石を起こしNobさんに注意される。ロープ回収時も落石には要注意。

《懸垂下降2回目》
第1回目の懸垂終了地点から10m位下の太い立ち木から樹林帯のガレ場の下降で15m程度。懸垂開始地点までの移動もガレ場で浮石が多く慎重な行動が必要。

その後、右に見える岩稜(末端ドーム)の末端沿いに立ち木等に摑まって下降するが、立ち木はけっこう太い枝や幹でもほとんど折れるので体重は預けられない。また、足元は非常に滑りやすいので慎重な行動が要求された。

末端ドームを岩裾沿いに回りこみ、少し登ると上部が明るくなり左側(北側)からのガレルンゼを従えた岩稜が確認できた。

Nobさんによればここが取り付き点とのこと。取り付きは、右側が中央岩稜の末端部、左側は一抱え程度の石が積み重なったガレルンゼとなっている。

09:45 中央岩稜末端取り付き地点到着
ガレ状のルンゼで登攀準備、今回は2パーティの構成で、先発組:Nob・m3nb / 後発組:竜少年・tomoに分かれる。

《1ピッチ目》フェイス~カンテ(Ⅳ・A0) リード:先発 m3nb / 後発 tomo
1ピッチ目をリードするm3nb
10:40先発組はm3nbさんリードでスタート。

今回は、残置支点(赤錆びたハーケン等)がまったく信頼できないので、カム、ナッツ、ハーケン等を持参し、可能な限り中間支点を作って登ることとした。

先発組がカム、ナッツ、ハーケン等で支点を作り、後発組がその支点を利用することとした。先発組は、フェイスに乗り込んだあと、右側のリッジ沿いにルートを取った。

初めてのリードでドキドキしてます・・・
後発組は、カンテの左側にルートを選択した。ルンゼからフェイスに乗り込み、先発組の残したナッツを利用し1本目の中間支点を取ると、フェイス状のカンテ左側を直上し、残置ハーケンでランニングビレイをとる。

逆層のスラブで、ホールドが少ないため、A0を多用し登り、ハング下をm3nbさんの辿った右側のリッジへトラバース。

今回出番の少ないNob兄貴
この辺りが今回の核心部だと思う。ホールドは少ないがソールのフリクションはまあまあ効いたため、無事クリアした。

リッジの右壁に取り付くと、先発組の残した支点を利用し、そのまま右壁を移動。

5m位移動した地点(P1下)で先発組に合流した。

ハング右の乗っ越しがルート図では核心(Ⅳ・A0)だったが、m3nbさんが先行して支点を作ってくれたおかげもあり、あまり難しくは感じなかった。


《2ピッチ目》ゆるい稜上のフェイス(III-) リード:先発 Nob / 後発 tomo
1ピッチ目終了点

先発組のリードはNobさん。中央岩稜の右壁でのビレイ地点から、緩勾配の階段状のフェイスに取り付く。

易しいフェイスでランニングビレイは1本目をピナクルで取った後、取れるところが余り無かったこともあり、結果的に傾斜がきつくなるところまで取れなかった。

傾斜がきつくなる手前で、潅木、ピナクルで支点を取り、ピーク(P2)まで登った。

このピッチはクラック等が多くホールド、スタンスともに不自由はしなかった。ピーク(P2)の上部のピナクルでビレイを取り終了。

《3ピッチ目》リッジ~フェイス(III+) リード:先発 Nob / 後発 竜少年

先発組のリードはNobさん。先発組のビレイ地点(P2から下ったコル)より後方のP2の上部でビレイ。

竜少年は楽しそうに登攀を開始。特に後半のフェイスを登っている時には、全身から「楽チン、楽しい」が滲みでていた。

登り始める前のロープアップ時に、ロープが2本ともP2直下の岩角に引っ掛かり、ロープを取るのにクライムダウンしなければならなくなったハプニングがあった。


その後、リッジの下部右壁をトラバースし、フェイスに取り付くが、非常に快適なクライミングだった。

ただし、カム、特にエイリアンがクラックの中に入り込んでなかなか取れなかったことや、Nobさんの打ったハーケンがカムと合わせてセットしてあったので、残置ハーケンの効きが悪いためと間違え、残してしまったことが非常に残念で、経験不足がここで出た。

フェイスを登りP3を越えると、ハイカーのギャラリーが数多く居て、その前での写真のポーズ決めだったので、ちょっと恥ずかしかった。


13:00
登攀終了。先発組が登攀終了したのはPM12:40だった。

13:30
下山開始。先発組が、下降地点まで戻って、懸垂支点に使用したスリング等を早めに回収して合流した。後は往路を下山、途中の扇平の大岩でボルダリングらしき遊びをして帰路を急いだ。

15:15
登山道入り口~大平荘の庭(ギア整理、テント撤収)~花かげの湯(旧R140を左に少し入った場所、入浴料:一人当り500円)~R20~相模湖IC(中央高速)~PM9:45西船橋駅



■感想

初めてのリードで、取り付きまでは緊張しましたが、「絶対に落ちない、絶対に家族に迷惑を掛けない」との思いから、登攀準備を始めてからは腹は決まっていました。

「何でもありで、登りきる」と考えながら登ったのが幸いだったのか無事に登りきることができました。


あとは、運を含めて自分の力を信じれるかどうかがクライミングを左右するのではないかと考えて、前向きに登ったのが良かったのではないかと思っています。

メンバーの皆さんには、いろいろアドバイス、サポートして頂いてありがとうございました。(記 tomo)

2006年09月11日

トップページFlash写真集を「乾徳山 旗立岩」画像に変更しました。

トップページFlash写真集を、先週末(09/09-10)に楽しんできた乾徳山 旗立岩でのクライミング画像に変更しました。

山行記録は近日中に掲載予定です。

2006年09月05日

三ツ峠 中央フェイス中央カンテ 日帰りクライミング

貸切状態で閑散とした中央フェイス

「9月9日に予定している乾徳山・旗立岩クライミングの前にマルチピッチ・トレーニングをやろう」とNobさんから声をかけて頂き、土曜の早朝に千葉県の西船橋駅前を出発して三ツ峠・中央フェイス中央カンテ日帰りクライミングトレーニングを楽しんできました。

今回はNobさんの愛車でアプローチする為、JR小岩駅始発の総武線下り電車に乗ってJR西船橋駅前05:00に集合。京葉道路から首都高速を経て中央高速に入りました。

夏休み明け直後の土曜日と言う事もあり渋滞も無くスムースに河口湖インターまで走る事が出来ました。

09:00 取付到着。6月の会山行時に大混雑していた屏風岩は、他に2パーティー程しか取付いていない嬉しい貸切状態でした。09:30登攀開始しました。

■1ピッチ目 階段状(II~III)・左上ランペ(III) - リード:Nob
岩の隙間に座っているように見える私・・

今回で3回目の中央カンテを登るNobさんがリード。

第一バンドを通過して左上ランペまでを1ピッチで登りました。

この区間はピッチグレードでII~III級と言う事もあり、何事も無くスムースに完了しました。

■2ピッチ目 クラック(IV) - リード:m3nb
ア~ラヨッ!っとー。ここにもカムをセットするぜー

登り始めて2手目に少々悩みましたが、今回はキャメロットの3番以下と、竜少年からお借りしている同サイズのエイリアンを数本持参していた為に、細かくカムをセットして楽しく登る事が出来ました。

クラック終了後は残置支点が無く少々緊張気味ながらもテラスに上がりビレイ解除。

ボク岩を登ると若くなっちゃうんです。
ルベルソ愛用の僕はフォローのNobさんの格好良い写真を撮りながらのビレイを楽しみました。

Nobさんは街中では、ごく普通の中年オジサン顔なのですが、岩を攀じっている時の顔はとても可愛い童顔になります。

いつも僕は「本当にクライミングが好きなんだなー。」と思いながらシャッターを押しています。

■3ピッチ目 左ルート(IV) - リード:Nob
ここは右ルート(Ⅴ)もありますが、Nobさんの過去の経験を元に安全を優先して左ルートを選択しました。

ここを左上に抜けてからが今回の核心でした・・
ビレイ点から比較的簡単なクラック沿いを左上し、更に左上するように登ると岩陰に回る事になり、Nobさんの姿はビレイ点から確認できなくなります。

その後、比較的長い時間が経過し「Ⅳ級のわりには、結構しょっぱいルートなのかなぁ・・」と思っていると「ビレイ解除」のコール。

クラックを左上した後に岩を乗っ越し、本来のルートは直上するようでしたが、バルジ部分を回り込み、その後5m程トラバースしていました。

直上をするには、左トラバース中間点にセットしてあるカムを回収しなければならない為、バルジ部分を回り込まず左上に乗っ越しました。

無事終了して一安心です。後ろに四季楽園と三ツ峠山荘が見えます。
その後、カムを回収しゴボウで抜き上がり中央カンテの登攀が終了しました。

登攀後Nobさんに確認したところ、本来ならば直上するのがルートだったようですが残置支点が無かった為、左にトラバースしたようです。

再び、ここに登り返すとも知らずニヤけた笑いで懸垂下降する私

終了点からは僕が最初に懸垂下降で降りました。

第一バンドまで約50mありロープも丁度の長さでした。その後、Nobさんが懸垂で降りた後、ロープを引きましたが全く動く気配がありません。

慌てて2人で引きましたがビクともせずロープは完璧にロック状態です。

どうやら最上部の垂直に切れ落ちている部分にあったクラックにロープが引っかかってしまったようです。

懸垂下降中ではありません。これから50mの登り返しスタートです・・

早速、第一バンドに設置してある懸垂用の大型支点にロープを通して端を結びフィックス状態にして、プルージックをセットして懸垂支点まで約50mの登り返しを開始しました。

この辺りまでは比較的楽に登り返してます・・

ロープは真っ直ぐに垂れている為にルートでは無い部分を登る事になり、尚且つ、登りながらプルージックで締めている部分を同時にズリ上げる動作も必要で結構忙しいクライミングとなりましたが特別危険な箇所も無く比較的短時間で登り返しが完了しました。


この辺から垂壁になり、ロープが開き始めプルージックが効かない上に、ホールドも少なくて結構難儀しました。
ロープがロックした原因は、やはり最上部の岩の角にある細いクラック部分にロープ1本が挟まってしまっていた為でした。

懸垂時に左右に振られた際、ロープがクラック部分を跨いて挟まってしまったようです。

原因を解除して懸垂支点に到着しましたが、予想していたよりも早く30分で登り返す事が出来ました。

Nobアニキー!お疲れ様ーっす。


同じ失敗を繰り返さないように2本のロープの結合部をずらして1本のロープを折り返して懸垂しました。

登り返しの途中で確認してあったピカピカのペツルビレイステーションにてセルフビレイを取り、そこから再び新たに懸垂をしてNobさんの待つ第一バンドを通過して取付きまで降りました。

その後、Nobさんが第一バンドから短い懸垂をして12:35無事に登攀完了しました。

素敵な富士山が僕達2人を見守っていてくれました。ふふふ・・・
時間は早かったのですが本日の登攀を終了し、爽やかな秋風が吹く貸切状態の屏風岩を後にしてノンビリ優雅に高山植物の写真を撮りながら下山しました。

その後、西湖畔で湯に浸かり一眠りして帰途に着きました。

往路の中央高速と首都高速は大した渋滞も無く19:30西船橋駅前にて笑顔で解散する事が出来ました。